2005年07月28日

債権者準備書面 (3)

平成17年(ヨ)第9号 遺伝子組換え稲の作付け禁止等仮処分事件     
原  告  山 田   稔 ほか11名
被  告  (独) 農業・生物系特定産業技術研究機構

債権者準備書面 (3)

2005年7月20日


 新潟地方裁判所高田支部 民事部 御中

債権者ら訴訟代理人 弁護士 神山 美智子

同       弁護士  柏木 利博

同       弁護士  光前 幸一

同       弁護士  近藤 卓史

同       弁護士  馬場 秀幸

同       弁護士  柳原 敏夫


1、前置き――前提問題に関する再反論――以下に述べることは本野外実験の前提事実に関することで、本野外実験そのものの危険性・問題点とは直接関係ない。ただし、既に債務者の答弁書に対する債権者の再反論として用意していたものなので、本書面において簡潔に述べる。

2、答弁書に対する債権者の再反論
(1)、債務者は、GM作物と食品事故の関係について、以下のように反論する。
《病原性微生物事故(O157事件等の食中毒事故)は本件とは何ら関係ない》(6頁4(2))
しかし、周知の通り、バイオハザードの特徴は、ひとつは、《「晩発性」と「不顕現性」である。病原体等の微生物や放射線を体内に取り込んでから実際の被害(疾病)が生じるまで時間がかかり、原因が不明なままで終わることである。「目に見えない被害」といわれるゆえんである》(疎甲2。153頁下段7行目以下)、
もうひとつは、《放射線の検出に比べれば、漏出した微生物の検出は非常に困難であるとされ、生物であるから増殖・伝播する点でより扱いにくい》(同。13行目以下)。ことである。
この点で、病原性微生物事故とGM事故はまさに共通する(申立書9〜12頁参照)。

(2)、債務者は、トリプトファン事件について、以下のように反論する。
《トリプトファン事件も本件とは関係がない。‥‥現在に至るまで何の問題も発生していない。》(6頁4(3))
 しかし、トリプトファン事件は《原因物質と思われる不純物の一つが遺伝子組換えによるものとの疑いがあり》(疎甲2.153頁下段3行目)、この点で遺伝子組換え実験の本件と多いに関係がある。また、その後、たまたま現在に至るまで同様の事故が発生していないからといって、安全性の保証にはならない。なぜなら、もともとGM事故の特徴は、前述の通り、「晩発性」と「不顕現性」にあり、また、もし本当に遺伝子組換えに問題がなかったなら、トリプトファン事件の加害者である昭和電工はすべての情報を公開し真相解明をすべきだったところ、実際は設備、菌などを廃棄して迷宮入りを図った(平成9年度厚生省の事故調査報告書参照)。この点で遺伝子組換えの安全性を疑われても仕方がない。

(3)、債務者は、GM作物の栽培面積について、、以下のように主張する。
《GM作物は‥‥世界中において累積約4億ha(2004年の作付け約8,100万haにものぼり‥‥)作付けがなされており》(6頁4(3))
しかし、《世界中において》というのは間違いである。実際は、以下に見る通り、2004年の作付けは上位5カ国で全体の96%を占め、ごく一部の特定の国で商業栽培されているにすぎない。
  米国が生産の59%(約4760万ha)、アルゼンチンが20%(1620万ha)、
  カナダが6%(540万ha)、ブラジル6%(500万ha)
  中国5%(370万ha) (http://www.isaaa.org/
 むしろ、欧州はじめ世界中の多くの国々では、環境への影響が不明であり、悪影響がわかってからでは取り返しがつかないため、因果関係の証明が困難であってもリスクの懸念がある場合は予防的に規制をするという予防原則の考え方(疎甲44参照)に立ち、栽培規制がされているというのが正しい。

(4)、債務者は、GM作物の食品事故について、以下のように主張する。
《これまでにGM作物に由来すると証明された食品事故は一件も知られていない。》(6頁4(3))
確かにこれは正しい、なぜなら、前述した通り、トリプトファン事件で加害者の昭和電工が設備、菌などの証拠を隠滅して、迷宮入りを果してしまったから。
しかし、申立書でも指摘した通り、もともとGM事故のその特質は予見不可能性にあり(11頁)、その上、GM作物の表示制度が不備な日本、或いは米国のようにGM作物の表示制度すらない国では、たとえGM作物によりガンやアレルギー、そのほかの健康影響が引き起こされたとしても、因果関係の立証が極めて困難である。また、GM作物以外の要因と複合的因子で食品事故が引き起こされる場合、GMが新たな因子となって付け加わっているか否かについても、その立証は著しく困難である。従って、債務者も認める通り、本件の遺伝子産物であるディフェンシンが人にどのような害作用を及ぼすか未解明である(疎甲23。233頁)ような現状において、たまたま「GM作物に由来すると証明された食品事故は一件も知られていない」からといって、GM作物の安全性が保証されたと考えることは到底できない。
しかも、本件でもディフェンシンによる土壌微生物への悪影響という問題が指摘されたように(疎甲19。金川陳述書5頁以下)遺伝子組換えによる環境破壊という問題は、以下の指摘を見るまでもなく、既に多くのところで指摘済みの深刻な問題である(疎甲45。120〜132頁。疎甲46参照)。
動物実験によりGM遺伝子が腸から吸収され、胎盤を通して胎仔へ移行したとか、また、被験者による実験により、GM作物の摂食により腸内細菌へGM遺伝子取り込みがおこることが判明したとか、ミツバチの腸内細菌がGM花粉からGM遺伝子を取り込んだことが判明し、要するに、開発者が想定外としていた数多くの環境への悪影響の報告がある(http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/gmo/risk.htm)。

(5)、債務者は、GM作物の異常について、以下のように主張する。
《植物体内で生理的異常が発生すれば通常、その植物は生存できないのでそのような植物は消滅するので、この点においても今回実験に供試したGMイネに異常なものが混入する危険は皆無である。》(8頁7(3))。
 これは二重に間違っている。第1に、「通常‥‥である」という前提からは「危険は皆無である」という結論は論理的に導き得ないという論理上誤っているのみならず、第2に、遺伝子組み換えによりゲノム中に新しい遺伝子が導入された結果、植物(イネ)に何らかの負荷がかかり、生育不良、不稔、実りの低下など植物本来の正常な生育が乱される場合、常に、生存できないほどの重大な生理的異常が起こるとは限らず、にもかかわらず、何の実証もないまま「GMイネに異常なものが混入する危険は皆無である」と結論付けるのは科学的にも誤っているからである。

(6)、債務者は、遺伝子の水平移動について、以下のように主張する。
《債権者は、組換え体から遺伝子が抜け出し、別の生物へうつるという遺伝子の水平移動を前提とした論難を展開するが、そもそも遺伝子の水平移動については、科学的に明確に証明したデ―タはない。》
上の(4)及び(5)の主張からも明白だが、債務者の際立った特徴は、自己の主張については「科学的に明確に証明したデ―タ」を一切の要求せず、相手の主張についてはこれを完璧に要求するという態度にある。しかし、遺伝子の水平移動はその可能性のみならず、次の通り、実証例が既に明らかにされている。
英国ニューカースル大学のハリー・ギルバード博士たちの研究で、人工肛門をもつ被験者を調べたところ、遺伝子組み換え大豆の組み換え遺伝子(モンサント社のラウンドアップ・レディーに使用された農薬耐性遺伝子epsps)が、被験者の消化管内に棲む腸内細菌へ移行している現象が見つかった。通常のヒトと比べると、人工肛門のため食物の消化管内滞留時間が長いために、遺伝子の水平伝達が起こったものと考えられている(ネイチャー誌に発表。疎甲47)。

(7)、債務者は、イネの自家受粉について、以下のように主張する。
《そもそもイネは自家受粉(‥‥)の性質を有するため他から花粉を受粉することも性質としてももたない植物である。この点から交雑の余地ないしおそれは極めて低い。》(9頁9(2)@)
しかし、言うまもでなく《稲は自家受粉の植物とされるが、花粉が飛散し自然交雑もする》(疎甲28。生井氏の発言3段目)。その上、遺伝子組換えにより自家受粉植物が他家受粉の傾向を強め、交雑性を増したという研究が既に報告されており(疎甲48)、「科学的に明確に証明したデ―タ」もなしに「交雑の余地ないしおそれは極めて低い」と結論づけるのは科学的に正しいとは到底言えない。

(8)、最後に、以上の答弁書からうかがえる債務者の最も際立った根本的な態度を指摘しておきたい。これは既に、疎甲19の陳述書の作成者金川貴博氏が債権者代理人らに指摘したことだが、債務者には、「科学の不確実性」に対する自覚或いは認識が根本的に欠けている。それは、上記(6)で「GMイネに異常なものが混入する危険は皆無である」と憚らず表明できるところにも端的に現れている。
GM技術における「科学の不確実性」が最も明らかにされるのは、申立書において、GM技術固有の危険性・問題点として指摘した次のくだりである。
《ある特定の遺伝子を組み換えて、本来のゲノムから切り離し、別のゲノムに導入することは、機械的なパーツを取り替えることとは本質的に異なる。なぜなら、遺伝子はそのほとんどが発現(‥‥)したあと、ゲノム中の他の遺伝子産物(‥‥)と相互作用することによって、その機能を発揮するから、局所的な遺伝子の組み換えによって引き起こされるすべての相互作用をあらかじめ予見することはほとんど不可能だからである。》(9頁2(1))
 この「すべての相互作用をあらかじめ予見することはほとんど不可能」という「科学の不確実性」が根本に存在するから、それを大前提にして、GM技術の安全性のあり方を考えていくしかない、これが科学的な態度にほかならない。しかし、「科学の不確実性」の自覚がない者にはこうした態度が理解できない。事実、債務者は、GM技術の最も核心的な問題である上述の主張に対して、一切、認否しない。もちろん、これが本野外実験の危険性を直接裏付けるものではないが、一流の科学者なら誰もが自覚しているこの問題(疎甲49)について無自覚な債務者を見ていると、本野外実験の安全性に対して不安を抱かざるを得ないのは、果して、債権者だけであろうか。
以 上
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